会計指令法の競争戦略
川口 八洲雄 著
第1刷発行日
2000/01/20
判型
A5判
ページ数
386ページ
本体価格
3,800円
定価
在庫状況
在庫あり
ISBN
978-4-8394-1910-3
内容
ドイツの会計システムは慎重な利益測定を重視する伝統的な会計システムである。個別会計基準を会計の国際化から防衛しようとする欧州連合とドイツの戦略構想を分析した。
目次
第1章 会計システムの調和的対立
1 会計の目的構造の拡大
2 情報システムとして開放された連結会計の戦略的論理
3 連結会計の国際化とドイツ会計法システムのディレンマ
第2章 商事貸借対照表と税務貸借対照表との連携の解除
―連邦財政裁判所の逆基準性否認の意義―
基準性原則の効力―はじめに―
1 連邦財政裁判所判決と逆基準性原則の否認
2 基準性原則の形骸化
商事貸借対照表で装われた税務貸借対照表―おわりに―
第3章 欧州会計指令法にたいする逆基準性原則の支配
商法会計にたいする税法の支配―はじめに―
1 逆基準性原則の法典化
2 逆基準性の範囲
3 逆基準性の適用期間
欧州会計指令法による逆基準性原則の法典化の意義―おわりに
第4章 1990年租税改革法の逆基準性原則
はじめに
1 商法会計における税法の実質的支配の構想
2 包括的な逆基準性原則にたいする批判論
税法の支配とGoBシステムの限界―おわりに―
第5章 欧州連合の新しい会計戦略
欧州委員会の戦略―はじめに―
1 序論および要約
2 背景
3 新しい試みの必要性
4 可能な解決の試み
5 提案される試み
6 結論
欧州委員会の戦略と会計法の改革構想―おわりに―
第6章 欧州会計法と国際会計基準
はじめに
1 会計法における欧州統一の目標
2 調和化を促進する試み
3 欧州企業による解決策
4 欧州が招いたアメリカの優勢
5 新しい戦略の展開
6 新しい戦略の特徴
7 結論
欧州委員会の戦略構想―おわりに―
第7章 会計国際化における欧州連合の構想
はじめに
1 会計における新しい戦略
2 IASと欧州会計指令との一致
3 IASと国内会計原則との一致
4 ドイツ経済監査士協会の分析
5 ドイツの資本調達容易化法
6 ドイツにおける年度決算書の公開
7 欧州会計指令の改正
おわりに
第8章 資本調達容易化法とドイツ会計法の国際化
ドイツ会計法の国際化―はじめに―
1 参事官草案の個別規定とその理由書
2 参事官草案にたいする批判の意義
3 参事官草案の第264条3項にたいする批判
参事官草案の意義―おわりに―
第9章 ドイツ会計法の改革
はじめに
1 資本調達容易化法政府草案
2 資本調達容易化法の成立
3 ドイツ商法会計の改革
おわりに
第10章 ドイツ会計委員会と企業領域統制・透明化法
はじめに
1 企業領域統制・透明化法と法律委員会の決議勧告
2 私的会計委員会の創設と会計の国際化
おわりに
第11章 会計の国際化と税法会計
はじめに
1 商法会計と税法会計との媒体原理としての基準性
2 欧州会計指令のドイツ会計におよぼす影響
3 会計国際化の影響―IASとGAAP―
おわりに
第12章 会計の調和化論―幻像
はじめに
1 問題提起
2 年度決算書の質を改善するための調和化
3 会計の世界標準をめぐる調和と対決
おわりに
第13章 基準性原理に未来はあるか?
はじめに
1 アメリカにおける税法会計と財務会計との分離
2 ドイツの基準性原則と会計の国際化
おわりに
第14章 ドイツ基準性論争
はじめに
1 商法会計と税法会計の連携
2 基準性原則の歴史
3 基準性原則の意義
4 実質的基準性,形式的基準性および逆基準性
5 中間総括
6 実質的基準性の論争
7 形式的基準性の論争
おわりに
第15章 正規の簿記の諸原則システム論と会計指令法
はじめに
1 会計指令法におけるGoBの法典化
2 GoBの指示内容の変容
3 会計指令法とGoBシステム構造化論
4 個別問題の検討
5 総括的命題
おわりに
第16章 正規の簿記の諸原則システム論
はじめに
1 正規の簿記の諸原則
2 GoBの獲得方法
3 システムとしてのGoB
4 法典化された法律規範を解釈するためのGoBの意義
おわりに
第17章
事象形成としての税配分会計―はじめに―
1 ドイツ会計法における税配分会計―
2 税配分会計の仕組み
3 潜在的租税の会計専門的意味
4 潜在的租税の相殺表示
5 税率変更と割引現在価値
おわりに
第18章 ドイツ企業年金引当金論
はじめに
1 年金引当金の性格
2 資金調達の形態
3 年金引当金の貸方計上選択権
4 年金引当金の計上と取り崩し
5 企業年金引当金の会計処理
おわりに
索引