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現代財務会計の思想基盤

高松 正昭 著


第1刷発行日2000/03/31
判型A5判
ページ数464ページ
本体価格3,700円
定価
在庫状況在庫あり
ISBN978-4-8394-1916-5
内容
 アメリカ近代会計においての伝統的財務会計と現代財務会計の時代区分を1960年代とした。その年代を中心に約30年間の時間幅に収まる会計文献を対比的に分析し財務会計の基本的性格と将来展望を解明する。

目次
第1章 会計におけるインプリメンテーション問題
    ―現代財務会計の分析のための弁証法的枠組―
    1.はじめに:会計を取り巻く1960年代の問題状況
    2.情報システムとしての会計観
    3.科学者と経営者:経営科学のインプリメンテーション
    4.会計人と意思決定者:類推
    5.おわりに:本書の目的と構成

第1部 財務会計における儀式化

第2章 機能分離の現実と役割認識の変化
    1.はじめに
    2.伝統的財務会計の投資家像とその変貌
    3.会計情報の作成者像とその混乱
    4.機能分離の背後にみられる2つの会計観
    5.おわりに

第3章 機能分離の誘因となる二分法的要素
    1.はじめに
    2.会計におけるスチュワードシップ・アプローチと意思決定有用性アプローチ:再論
    3.会計における主人と従者
    4.会計における過去と未来
    5.おわりに

第4章 Littleton 対 Chambers 論争にみる内在的機能分離批判
    1.はじめに
    2.Chambersの批判
    3.Littletonの反論
    4.Littleton 対 Chambers論争の意味
    5.おわりに

第2部 財務会計におけるデータベース志向

第5章 データベース志向の基礎
    1.はじめに
    2.抽象化と情報損失
    3.会計情報の階層:事象観察値と理論抽象値
    4.情報洪水問題
    5.おわりに

第6章 データベース志向会計の展開
    1.はじめに
    2.操作主義的アプローチの意味
    3.Vatterの資金会計論におけるデータベース志向
    4.Bedfordの利益算定論におけるデータベース志向
    5.おわりに

第7章 財務諸表上の統合と情報理論
    1.はじめに
    2.統合に対するLevの情報理論的アプローチ
    3.情報損失数量化の理論的諸問題
    4.会計の統合問題と経験的研究
    5.おわりに

第3部 財務会計における意思決定志向

第8章 意思決定志向の基礎
    1.はじめに
    2.行動科学の思想的特徴
    3.計画・管理思想と会計
    4.ソーシャル・プログラムの評価問題
    5.多目標化と企業会計
    6.おわりに

第9章 意思決定志向会計の論理
    1.はじめに:歴史的視座
    2.有用であること,そして客観的であること
    3.従属すること,そして説得すること
    4.おわりに

第10章 会計における目的研究の意義
    1.はじめに
    2.Devine 対 Bedford & Dopuch論争の意味
    3.会計の社会システム観と目的研究
    4.目的研究と社会的価値
    5.おわりに

第4部 財務会計における相互理解・相互批判
    ―会計研究と会計教育の役割―

第11章 会計基準設定における研究者と政策決定者
    1.はじめに
    2.自律的研究組織としての会計基準設定機関
    3.政策決定者グループとしての会計基準設定機関
    4.研究と政策決定の融合を目指す会計基準設定機関
    5.おわりに

第12章 会計研究の現代的意味
    1.はじめに
    2.会計における純粋研究の系譜
    3.概念的枠組研究の意味
    4.会計における2つの対立する研究モデル
    5.おわりに:会計研究の将来性

第13章 会計教育の現代的意義
    1.はじめに
    2.会計情報の作成者の教育:専門職業教育の内容の変化
    3.会計情報の利用者の教育:教養会計学の模索
    4.理論教育あるいは概念教育の展望
    5.おわりに

第14章 要約と結論,そして若干の展望
    1.はじめに
    2.実在論と観念論の狭間で:会計の基礎にある2つの思想
    3.会計研究と会計教育の関係
    4.最近の財務会計の動向の意味

参考文献
事項索引
人名索引