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税務会計制度の研究
税務財務諸表独立性の論理

柳 裕治 著


第1刷発行日2001/10/10
判型A5判
ページ数272ページ
本体価格3,500円
定価
在庫状況品切
ISBN978-4-8394-1944-8
内容
 日独の税法会計制度、特に法人企業の課税所得計算構造に内在する諸問題を税法的・制度会計的側面から分析・検討を試み、税法会計制度の理論的基礎を形成することを研究。


第1章 序論
 第1節 税法会計研究の意義と課題
 第2節 研究方法と構成

第Ⅰ部 ドイツ税法における税務貸借対照表に対する商事貸借対照表の基準性の原則と税務貸借対照表独立論

第2章 法人税の基本的性格
 第1節 法人の本質と法人税
 第2節 法人税の生成
 第3節 法人税の性格論
 第4節 会計主体論と法人税の性格

第3章 課税所得および法人税の計算原理
 第1節 課税所得の概念
 第2節 利益計算の方式
 第3節 資本会社の課税所得および法人税の計算システム

第4章 税務貸借対照表に対する商事貸借対照表の基準性の原則
 第1節 貸借対照表による利益計算
 第2節 税務貸借対照表の概念規定
 第3節 商事貸借対照表の基準性の原則の実体規定
 第4節 商事貸借対照表の基準性の原則の意義
 第5節 商事貸借対照表の基準性の原則の内容と犯意
 第6節 商事貸借対照表の基準性の原則の逆転
 第7節 商事貸借対照表の基準性の原則の二面的保護効果
 第8節 結

第5章 税務貸借対照表に対する商事貸借対照表の基準性の原則の歴史的展開―形骸化の歴史―
 第1節 貸借対照表と租税
 第2節 商事貸借対照表の基準性の原則の生成
 第3節 商事貸借対照表の基準性の原則の法的確立
 第4節 商事貸借対照表の基準性の原則の形骸化
 第5節 商事貸借対照表の基準性の原則の逆転と企業会計の国際的調和化
 第6節 結

第6章 正規の簿記の諸原則と税務貸借対照表に対する商事貸借対照表の基準性の原則
 第1節 正規の簿記の諸原則の本質観
 第2節 正規の簿記の諸原則の法的性格
 第3節 正規の簿記の上位諸原則と商法の個別規定
 第4節 正規の簿記の諸原則と商事貸借対照表の基準性の原則

第7章 税務貸借対照表と会計観
 第1節 序
 第2節 動的会計観と計算限定の概念
 第3節 税法会計構造における動的会計観
 第4節 税務貸借対照表における計算限定
 第5節 経済財の概念と税法会計思考
 第6節 結

第8章 税務貸借対照表独立論
    ―1971年租税改革委員会答申を中心として―
 第1節 序
 第2節 商事貸借対照表の基準性の原則の問題点
     ―1971年租税改革委員会の指摘
 第3節 商事貸借対照表の基準性の原則の問題点に対する解決策
     ―1971年租税改革委員会の提案
 第4節 結

第9章 連結納税制度と税務貸借対照表に対する商事貸借対照表の基準性の原則
 第1節 連結納税制度としての機関会社制度
 第2節 機関会社の前提
 第3節 機関会社の編入要件
 第4節 利益移転契約
 第5節 少数株主に対する補償金支払と機関子会社の固有の所得
 第6節 機関会社制度の課税所得の計算と機関子会社の欠損金
 第7節 連結納税制度と商事貸借対照表の基準性の原則

第10章 課税所得計算構造に関する論争(付、アメリカ連邦最高裁判所の見解)
 第1節 序
 第2節 租税改革委員会の見解
 第3節 Aufermann, E.・Mühlhoff・Hans-Heinrich, O.の見解
 第4節 連邦政府・租税裁判所の見解
 第5節 Tipke, K.・Schneider, D.・Knobbe-Keuk, B.の見解
 第6節 アメリカ連邦最高裁判所の見解
 第7節 結

第Ⅱ部 わが国税法における確定決算主義と税務財務諸表独立論

第11章 申告納税制度と課税所得計算
 第1節 序
 第2節 申告納税制度と課税所得計算
 第3節 青色申告制度の課税所得計算
 第4節 白色申告制度の課税所得計算

第12章 確定決算主義による課税所得計算構造
 第1節 序
 第2節 確定決算主義の意味
 第3節 確定決算主義の沿革
 第4節 確定決算主義の論拠
 第5節 確定決算主義と商事貸借対照表の基準性の原則

第13章 確定決算主義と税務財務諸表独立性の論理
 第1節 序
 第2節 青色申告制度における確定決算主義
 第3節 「確定決算」概念の実体法的性格
 第4節 商法依存修正説の非論理性
 第5節 税法と商法の目的および計算体系
 第6節 租税要件理論と課税所得計算構造
 第7節 公法的報告書としての税務財務諸表

第14章 課税所得計算原理と会計思考
 第1節 序
 第2節 課税所得の概念
 第3節 税法における益金認識基準としての権利確定主義
 第4節 益金認識基準の具体的適用
 第5節 益金認識基準の特例
 第6節 税法の損金認識基準としての債務確定主義
 第7節 結

第15章 企業会計の国際化と税務財務諸表の必要性
 第1節 企業会計の国際化
 第2節 企業会計制度と会計基準の国際的調和
 第3節 税法会計の論理と企業会計の国際化
 第4節 国際会計基準と税法会計との調和化の可能性
 第5節 国際会計基準の導入と確定決算主義の廃止
 第6節 連結納税制度と税務財務諸表の必要性

第16章 結論

主要参考文献
事項索引