株式会社の再編
税務会計序説

浦野 晴夫　著

第1刷発行日	2002/03/05
判型	A5判
ページ数	256ページ
本体価格	3,300円
定価
在庫状況	在庫あり
ISBN	4-8394-1947-7

目次
序章　視角
　１　過剰資本と株主責任
　２　所得格差の拡大
　３　環境責任と企業会計
　４　発生主義会計と期間損益計算
　５　「株式立国」論の限界と「NPO立国」の必要

第１章　株式会社の合併と分割
　１　株式交換
　　§１　株式会社の合併と資本の水増し
　　§２　コングロマリット会社の株式交換
　　§３　業種支配を目指す株式交換
　　§４　わが国の株式交換と株式資本の性格
　２　企業買収と買収資金
　　§１　企業買収ファンドの展開
　　§２　企業の商品化
　　§３　株式とチューリップの球根
　　§４　わが国の株式持ち合い構造も招いた時価発行増資
　　§５　金庫株の解禁と株式買上機構の創設
　３　わが国の合併処理
　　§１　わが国の合併処理
　　　(a)　現物出資説による合併処理
　　　(b)　人格合一説による合併処理
　　　(c)　法人税法上の合併差益金
　　§２　合併差損とのれん（営業権）
　　§３　合併における資本の充実と繰越欠損金の引き継ぎ
　　§４　減資と過剰資本
　　§５　債権放棄の要請と資本の水増し
　４　会社再編の方向
　　§１　銀行の不良債権と合併に伴う株式等の含み損の処理
　　§２　会社分割とマネジメント・バイアウト
　　§３　わが国の過剰資本
　　§４　会社の再構築
　　§５　非営利事業としての会社分割

第２章　福祉社会と年金制度
　１　憲法と租税
　　§１　日本国憲法と富の再分配
　　§２　租税公平の原則
　　§３　シャウプ税制とキャピタル・ゲイン課税
　　§４　株式譲渡益の源泉分離課税と課税の公平性
　２　所得課税における累進税率の後退
　　§１　平成10年度の特別減税と平成11年度以降の恒久減税
　　§２　給与収入階級別の所得税納税者数と平均的な給与所得者
　　§３　所得税率の推移
　　§４　貧富の差の広がる見本としてのアメリカ
　３　公的年金積立金の株式市場への参入
　　§１　公的年金積立金の運用状況と今後の運用ポートフォリオ
　　§２　企業年金資産のマイナス運用と昨今の米国401Kの事情
　　§３　年金基金運用の落とし穴
　　§４　安定株主工作と企業の再構築
　４　公的年金と私的年金
　　§１　年金改革の２つの道
　　§２　アメリカの年金改革
　　§３　公的年金の企業年金化
　　§４　独・仏の年金制度とスウェーデンの年金改革

第３章　環境責任と企業会計
　１　スーパーファンド法と環境会計
　　§１　問題の所在
　　§２　ラブ・カナル事件とスーパーファンド法
　　§３　スーパーファンド法上の責任のディスクロージャー
　　§４　株式の新規公開と公表会計
　　§５　環境会計と確定決算基準
　２　環境汚染と株主有限責任の限界
　　§１　問題の所在
　　§２　スーパーファンド法で提起された法人格の否認
　　§３　株主有限責任の限界
　３　環境会計と税務会計
　　§１　環境会計と環境責任
　　§２　環境保全コスト
　　§３　税務会計に提起された問題
　　§４　罰科金・保障費等と環境保全コスト
　　§５　排出権取引と「踏み車」責任―確定決算基準の現代的意義
　４　排出権取引
　　§１　「待ったなし」の地球温暖化防止
　　§２　京都会議（COP3）に現れた柔軟化措置
　　§３　排出権の企業会計上の性格
　　§４　「踏み車」責任と確定決算基準
　　§５　地球温暖化問題の行方

第４章　期間損益計算の破綻
　１　発生主義会計
　　§１　継続企業と発生主義
　　§２　発生主義会計の成立
　　§３　発生主義の概念と減価償却
　　§４　いわゆる時価会計と発生主義
　２　減損会計と固定資産の証券化
　　§１　不良債権の性格
　　§２　固定資産の減損処理
　　§３　資本概念の変貌
　　§４　資産の証券化
　３　リストラクチャリング引当金と環境浄化引当金
　　§１　支払義務の発生と費用
　　§２　リストラクチャリング引当金
　　§３　支払義務の諸形態
　　§４　環境浄化引当金
　　§５　債務の発生と費用
　４　繰延資産の新たな展開
　　§１　繰延資産の意義
　　§２　研究開発費の回収
　　§３　ソフトウェアの開発費用
　　§４　無形資産としての繰延資産
　　§５　繰越欠損金の資産性

第５章　株式会社の社会的責任
　１　株式立国論と所得税法の理念
　　§１　株式立国論
　　§２　ある外国投資ファンドからの教訓
　　§３　所得税法の理念とキャピタル・ゲイン
　２　株式会社の再編
　　§１　会社分割と自己株式
　　§２　持株会社と株主有限責任制度
　　§３　繰延欠損金の引継と会社分割税制
　　§４　資本準備金の取崩しと債権者保護理念の後退
　　§５　企業結合と過剰資本
　３　連結納税制度と株主有限責任の限界
　　§１　連結納税制度と法人格の否認
　　§２　法人税の性格とグループ・リリーフ
　　§３　アメリカの連結納税と水平的公平
　　§４　ドイツの連結納税と親会社の責任
　　§５　親会社の有限責任の限界
　４　超低金利と規制緩和
　　§１　抵当証券による被害
　　§２　不動産投資信託の成長
　　§３　規制緩和と競争激化
　　§４　自己責任の原則と株式会社の社会的な責任

終章　企業組織再編税制と株式会社の変貌
　１　株式会社再編の二つの道
　２　適格組織再編成の要件
　３　資本の概念と時価評価
　４　資本の充実
　５　投機市場の拡大
　６　株式会社の危機

索引