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利益会計論
公正価値評価と業績報告

草野 真樹 著


第1刷発行日2005/02/25
判型A5判
ページ数240ページ
本体価格3,000円
定価
在庫状況在庫あり
ISBN978-4-8394-1998-1
内容
 包括利益または財務業績を、会計の認識・測定・伝達の観点から検討。また、利益測定を支える基礎概念と利益情報に期待される役割に照らし、企業会計が直面する問題の本質を探る。

目次
序章 研究の課題と分析視点
 第1節 研究の課題
 第2節 研究の分析視点
   1 分析素材としての金融商品会計
   2 利益の認識・測定プロセス
   3 財務会計の機能と会計情報の役割
 第3節 本書の構成

第1章 歴史的原価会計と公正価値会計における利益測定の特徴
 第1節 はじめに
 第2節 収益費用アプローチと資産負債アプローチ
   1 収益費用アプローチ
   2 資産負債アプローチ
   3 小括
 第3節 歴史的原価会計における利益測定の特徴
   1 歴史的原価会計における利益測定プロセスの概要
   2 過去会計と未来会計の分離不能
   3 経営者の将来に関する期待と期間利益計算
   4 経営者の将来に関する期待と経営者の業績
   5 小括
 第4節 公正価値会計における利益測定の特徴
   1 公正価値会計における利益測定プロセスの概要
   2 市場参加者の将来に関する期待と期間利益計算
   3 市場参加者の将来に関する期待と企業の富
   4 小括
 第5節 おわりに

第2章 米国における利益測定プロセスの展開
    ―AAAの実現概念の変遷を中心として―
 第1節 はじめに
 第2節 伝統的な実現概念
 第3節 AAA1957年基準書の実現概念
   1 基礎概念としての実現とその特徴
   2 資産の定義と測定の分離
   3 収益認識規準としての実現の特徴
   4 小括
 第4節 AAA1964年報告書の実現概念
   1 保有損益の認識と利益測定の分離
   2 収益取引における実現の規準とその特徴
   3 純利益算定テストとしての実現概念
   4 小括
 第5節 実現概念の変遷の歴史的合意と現代的意義
   1 実現概念の変遷
   2 実現概念の変遷の歴史的含意
   3 実現概念の変遷の現代的意義
 第6節 おわりに
 補 論 FASB概念フレームワーク形成過程における利益概念の変遷
   1 資産負債アプローチから収益費用アプローチへの後退
   2 利益概念の重層化
   3 小括

第3章 米国の包括利益の報告と金融商品会計
    ―実現の機能の退化と利益概念の一貫性―
 第1節 はじめに
 第2節 売却可能証券の会計処理における利益測定
   1 SFAS115における実現可能の位置づけ
   2 売却可能証券の会計処理における利益測定の特徴
 第3節 キャッシュ・フロー・ヘッジ会計における利益測定
   1 キャッシュ・フロー・ヘッジ会計の構造
   2 キャッシュ・フロー・ヘッジ会計における利益測定の特徴
 第4節 SFAS130における利益測定の特徴
   1 原則的なFASB金融商品会計の処理方法
   2 SFAS130における利益測定の特徴
   3 小括
 第5節 おわりに

第4章 「G4+1特別報告書」と金融商品会計
    ―実現の機能の退化と利益概念の一貫性―
 第1節 はじめに
 第2節 「G4+1特別報告書」の概要とその特徴
   1 G4+1が比較検討した4つのアプローチの概要
   2 一元観と二元観の相違
 第3節 「G4+1特別報告書」と予定取引のヘッジ会計
   1 予定取引のヘッジ会計の概要
   2 繰延アプローチの処理方法
   3 「G4+1特別報告書」と予定取引のヘッジ会計
   4 小括
 第4節 「G4+1特別報告書」における利益測定の特徴
   1 利益概念の変容
   2 実現概念の放棄
   3 小括
 第5節 おわりに

第5章 金融商品の公正価値評価と業績報告
    ―財務会計の機能と利益情報の役割―
 第1節 はじめに
 第2節 金融商品の公正価値評価と意思決定支援機能
   1 金融商品の公正価値評価の目的
   2 金融商品の公正価値評価と意思決定支援機能
   3 小括
 第3節 金融商品の会計処理と財務会計の機能
   1 金融商品の会計処理と意思決定支援機能
   2 金融商品の会計処理と契約支援機能
 第4節 金融商品の公正価値評価と業績報告
   1 意思決定支援機能と契約支援機能の調整
   2 金融商品の公正価値評価と業績報告
   3 小括
 第5節 おわりに

終章 研究の総括と今後の課題
 第1節 研究の総括
   1 金融商品の公正価値評価と利益測定の展開
   2 SFAS130における利益測定の特徴
   3 「G4+1特別報告書」における利益測定の特徴
   4 小括
 第2節 今後の課題

 参考資料1 キャッシュ・フロー・ヘッジの会計処理:予定購入取引の事例
 参考資料2 キャッシュ・フロー・ヘッジの会計処理:金利スワップの事例
 参考文献
 索引