複式簿記の歴史と論理
ドイツ簿記の16世紀

土方 久　著

第1刷発行日	2005/12/20
判型	A5判
ページ数	468ページ
本体価格	3,500円
定価
在庫状況	在庫あり
ISBN	978-4-8394-2023-9

内容

　15・16世紀に出版されている印刷本は、複式簿記を実践する商人の経験に裏打ちされた簿記教科書である。「16世紀のドイツ簿記」に思いを馳せ、複式簿記の歴史を裏付けしながら、その論理を解明する。

問題の提起

第Ⅰ部　ドイツ固有の簿記の発達

第１章　ドイツ固有の簿記の成立
　　　　―グラマテウスの印刷本『新しい技術書』，1518年―
　第１節　はじめに
　第２節　帳簿記録
　　　　　仕訳帳
　　　　　商品帳と金銭帳
　第３節　帳簿締切
　　　　　期間損益計算
　　　　　損益計算書（損益集合表）
　　　　　簿記の検証
　　　　　貸借対照表（残高検証表）
　第４節　むすび

第２章　ドイツ固有の簿記の展開
　　　　―ゴットリープの印刷本『ドイツの明解な簿記』，1531年―
　第１節　はじめに
　第２節　帳簿記録
　　　　　仕訳帳ないし日記帳
　　　　　金銭帳と商品帳
　第３節　帳簿締切
　　　　　口別損益計算
　　　　　資本主勘定
　第４節　むすび

第３章　ドイツ固有の簿記の発展
　　　　―ゴットリープの印刷本『簿記，二様の精巧かつ明解な簿記』，1546年―
　第１節　はじめに
　第２節　帳簿記録
　　　　　仕訳帳ないし日記帳
　　　　　金銭帳と商品帳
　第３節　帳簿締切
　　　　　期間損益計算
　　　　　損益勘定
　　　　　残高勘定
　　　　　簿記の検証
　　　　　貸借対照表（残高検証表）
　　　　　資本主勘定
　第４節　決算報告書
　　　　　１枚目の決算報告書
　　　　　２枚目の決算報告書
　第５節　むすび

第Ⅱ部　ドイツ簿記とイタリア簿記の交渉

第４章　イタリア簿記の原型
　　　　―パチョーロの印刷本『算術，幾何，比および比例全書』，1494年―
　第１節　はじめに
　第２節　帳簿記録
　　　　　財産目録
　　　　　日記帳
　　　　　仕訳帳
　　　　　借方と貸方
　　　　　元帳
　　　　　資本主勘定と資本金勘定
　第３節　帳簿締切
　　　　　損益勘定
　　　　　資本金勘定
　　　　　口別損益計算
　　　　　帳簿の突合
　　　　　元帳の均衡表（締切前検証表）
　　　　　合計の総計表（締切後検証表）
　第４節　報告書
　　　　　抜粋書
　　　　　計算書
　第５節　むすび

第５章　イタリア簿記の移入
　　　　―シュヴァイカーの印刷本『複式簿記』，1549年―
　第１節　はじめに
　第２節　帳簿記録
　　　　　財産目録
　　　　　日記帳
　　　　　仕訳帳
　　　　　借方と貸方
　　　　　元帳
　第３節　帳簿締切
　　　　　損益勘定
　　　　　残高勘定
　　　　　期間損益計算
　　　　　資本金勘定
　　　　　債権の総括勘定
　　　　　債務の総括勘定
　　　　　残高勘定の訂正
　第４節　むすび

第Ⅲ部　複式簿記についての覚え書
第６章　複式簿記の歴史と構造
　第１節　はじめに
　第２節　備忘記録
　　　　　証拠書類
　　　　　人名勘定
　第３節　財産管理
　　　　　管理責任
　　　　　物財勘定
　第４節　資本保全
　　　　　保全責任
　　　　　名目勘定
　　　　　損益勘定
　　　　　残高勘定
　第５節　むすび

第７章　複式簿記の構造と論理
　第１節　はじめに
　第２節　複式簿記における全体損益計算
　　　　　資本金勘定
　　　　　損益勘定
　第３節　複式簿記における期間損益計算
　　　　　損益勘定
　　　　　残高勘定
　第４節　むすび

問題の総括
付録１　16世紀における複式簿記の風景
付録２　ドイツ簿記の16世紀における印刷本の年表と目録
索引
後記