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建設外注費の理論

新川 正子 著


第1刷発行日2006/01/30
判型A5判
ページ数346ページ
本体価格3,500円
定価
在庫状況在庫あり
ISBN978-4-8394-2026-0
内容
 わが国の建設業の不透明さには、多くの批判がある。その原価構造と原価情報開示を外注費中心に研究した本書は、そこで解明された事実に立脚して既存の外注費の概念に新たな解釈を与え、提言する。


序章 建設外注費研究の目的と研究方法
  第1節 建設外注費研究の課題
  第2節 建設外注費の真実性
  第3節 建設外注費研究の過程
  第4節 本書の構成

第1章 建設業の動向と現状
  第1節 建設業の現状と課題
  第2節 建設投資の動向
  第3節 建設業者数と建設業就業者数の動向
  第4節 利益率の低下動向
  第5節 不良債権の動向
  第6節 建設業倒産の動向
  第7節 建設業の倒産件数と上場ゼネコンの会社更生法等の現状
  第8節 わが国建設業の現状とその国際比較

第2章 建設業の特性と問題点
  第1節 受注産業としての建設業
  第2節 建設業特有の重層的な下請構造
  第3節 元請けと下請の相互依存関係
  第4節 わが国ゼネコンの特殊性
  第5節 わが国ゼネコンの新動向
  第6節 多額の外注費を抱える建設業
  第7節 公共工事原価の問題点と開示方法

第3章 建設業における原価計算基準の必要性
  第1節 原価計算基準の意義
  第2節 建設工事原価計算基準の必要性
  第3節 建設工業原価計算要綱案の意義
  第4節 建設業法施行規則「勘定科目の分類」
  第5節 現行積算基準と実際工事原価計算

第4章 透明性が求められる建設業の原価計算
  第1節 建設工事原価の透明性の意義と水準
  第2節 米国における建設工事原価の透明性
  第3節 英国における建設工事原価の透明性
  第4節 わが国における建設工事原価透明性化の必要性
  第5節 透明性の欠如と統一的原価計算の必要性

第5章 建設工事原価における外注費の意義
  第1節 外注費の意義と分類
  第2節 外注費の実態
  第3節 外注費の位置づけ
  第4節 外注費から労務費・材料費への組み替え処理
  第5節 統一的原価計算基準に求められる外注費の区分処理

第6章 建設外注費の実態分析
  第1節 定点分析による外注比率の大きさ
  第2節 趨勢分析による外注比率の大きさ
  第3節 建設外注費趨勢分析の結果

第7章 建設業の原価情報開示問題
  第1節 建設業の現価開示制度の現状
  第2節 完成工事原価報告書に対する原価操作
  第3節 労務外注費を測定する困難性
  第4節 新「完成工事原価報告書」様式改正の実態分析と評価
  第5節 実態分析による成果
  第6節 建設業の付加価値算出とその影響

第8章 建設外注費の本質と真実性
  第1節 建設外注費の本質
  第2節 建設業外注費とコンピューター・ソフトウェア業外注費との相違点
  第3節 建設業外注費の真実性
  第4節 ABC原価計算と外注費
  第5節 アクティビティで捉えた建設工事原価
  第6節 ABC原価計算のゼネコンへの適用可能性

第9章 産業革命黎明期における外注見積原価計算
  第1節 産業革命黎明期における外注費の存在
  第2節 チャールズ・バベッジ紹介と著書『機械及び諸工場の経済について』
  第3節 バベッジをめぐる後世の学者の評価
  第4節 テイラーへの影響から見たバベッジの評価
  第5節 原価計算研究者から見たバベッジの評価
  第6節 原価計算の前提条件としての機械および分業の原理
  第7節 アダム・スミスとバベッジの分業の認識の違い
  第8節 原価計算の前提条件としての工具と下請制
  第9節 原価計算対象としての計算機製作
  第10節 著書についての外注費の見積原価計算
  第11節 バベッジ原価計算の優位性についての検証
  第12節 バベッジの原価管理思想

結章 建設外注費の研究と展望
  第1節 建設業会計の問題点・建設外注費
  第2節 望ましい建設外注費への提言
  第3節 建設外注費の真実性
  第4節 建設外注費の限界と展望

参考文献
索引