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会計理論の再構築
事象アプローチの学説史的再評価

竹島 貞治 著


第1刷発行日2007/07/10
判型A5判
ページ数294ページ
本体価格3,600円
定価
在庫状況在庫あり
ISBN978-4-8394-2051-2


    

目次
序章 事象アプローチの再解釈・再評価の必要性と方向性
 0.1 事象アプローチの通説的解釈への懐疑
 0.2 事象アプローチはデータベース・アプローチと同義か?
    ―Dunn and McCarthy[1997]の問題提起―
 0.3 意味論的会計理論
    ―船本[1989]における解釈―
 0.4 永野[1992]によるSorter説の評価
 0.5 三つの見解の小括
 0.6 本書の課題と貢献
 0.7 本書の構成と概要

第1部 Sorter学説の基礎

第1章 Sorterの基本的会計思考
    ―事象アプローチの源泉を探る―
  はじめに
 1.1 Sorterの問題意識
  1.1.1 会計研究と会計理論の現状認識
  1.1.2 会計理論と会計実践のとらえ方
  1.1.3 会計理論の構築方法
 1.2 Sorterの会計観
  1.2.1 会計の対象についての見解
  1.2.2 会計の記録プロセスについての見解
  1.2.3 会計の伝達手段についての見解
 1.3 Sorterの基本的会計思考についてのまとめ

第2章 会計理論への事象アプローチの源泉
  はじめに
 2.1 組織的枠組みの考察
  2.1.1 発生原因にもとづく事象の分類
  2.1.2 記述結果にもとづく事象の分類
 2.2 組織的枠組みの意義
  2.2.1 二者択一の問題の解消
  2.2.2 会計実践への提言
 2.3 要約と暫定的結論

第3章 基礎的会計理論への事象アプローチの意味
  はじめに
 3.1 価値アプローチの基本的特徴と問題点
 3.2 事象アプローチの基本的特徴と利点
 3.3 二つのアプローチの実践面における相違
  3.3.1 データの統合者
  3.3.2 データの統合レベル
 3.4 事象アプローチの会計報告書への適用
  3.4.1 貸借対照表への適用
  3.4.2 損益計算書への適用
  3.4.3 資金計算書への適用
  3.4.4 小括
 3.5 ASOBATの勧告の論理
  3.5.1 「諸」基準の必要性
  3.5.2 二欄報告の理論的根拠
  3.5.3 多欄報告への論理的拡張
 3.6 要約と結論

第2部 Sorter学説の展開

第4章 事象アプローチの会計研究への影響
    ―Sorter説発表直後の反響を中心として―
  はじめに
 4.1 会計理論と会計研究の未来予測
    ―Wheeler[1970]の議論を中心として―
  4.1.1 隣接諸科学の発展およびその会計研究への影響
  4.1.2 会計の定義の拡大化
  4.1.3 Wheelerの描く会計の未来像
 4.2 事象アプローチの用語分析
    ―Johnson[1970]の議論を中心として―
  4.2.1 用語の種類
  4.2.2 事象の種類
  4.2.3 統合の種類
  4.2.4 予測の種類
  4.2.5 利用の種類
 4.3 データ拡大アプローチにたいする問題提起
    ―Revsine[1970]の議論を中心として―
  4.3.1 利用者の財務的意思決定環境の複雑性
  4.3.2 利用者の概念構造(情報処理構造)の特徴
  4.3.3 意思決定環境の複雑性と概念レベル(情報処理レベル)の抽象性
  4.3.4 情報過多の問題
  4.3.5 問題提起の妥当性の問題
 4.4 1970年代の反響の小括

第5章 会計データモデル論の発展史的概観
    ―事象アプローチと複式簿記についての見解に注目して―
  はじめに
 5.1 階層型会計データモデル論
 5.2 関係型会計データモデル論
 5.3 実体関連型会計データモデル論
 5.4 REA会計モデル論
 5.5 会計データモデル論の展開過程をかえりみて

第6章 会計データモデル論の意味論的考察
  はじめに
 6.1 会計思考にかんする議論か,会計実践にかんする議論か
 6.2 複式簿記か,複式簿記でないか
 6.3 直接写像か,間接写像か
 6.4 要約と課題

第3部 会計データモデル論の検証

第7章 McCarthy会計モデル論の貢献
    -REA会計モデルの分析―
  はじめに
 7.1 REA会計モデルの技術的基礎
    ―実体関連型データモデルの特長―
 7.2 REA会計モデルの理論的基礎
    ―井尻理論とMattessich理論の影響―
 7.3 会計理論の必要性

第8章 McCarthy会計モデル論の基底
    ―会計の記録対象と記録方法についての見解を中心として―
  はじめに
 8.1 直接写像の背景
  8.1.1 記録用具としての勘定形式にたいする批判
  8.1.2 記録者としての会計人にたいする批判
 8.2 対象システムの根拠
 8.3 問題提起と次章の課題

第9章 REA会計モデルの記録機能についての一考察
    ―会計理論の発展をめざして―
  はじめに
 9.1 個別的に対応する事象がみられない事象の記録方法
  9.1.1 意味論上の問題
  9.1.2 実行可能性の問題
 9.2 個別的に対応する事象が即時的に生起しない事象の記録方法
  9.2.1 実行可能性の問題
  9.2.2 記録構造の問題
  9.2.3 情報提供の問題
 9.3 個別的にも集合的にも対応する事象がみられない事象の記録方法
 9.4 まとめと新たな課題

第4部 Sorter学説の貢献

第10章 基礎的会計理論への事象アプローチの意義
    ―インプット理論の必要性―
  はじめに
 10.1 企業会計の発展にもとめられる理論的要件
 10.2 在来の会計理論のテスト
 10.3 事象アプローチの本質的意味
 10.4 事象アプローチの現代的意義

第11章 アメリカ会計学説におけるインプット理論の展開
  はじめに
 11.1 Vatterの学説に学ぶ
  11.1.1 資本主理論および企業主体理論にたいする批判の意味
  11.1.2 批判の内容
  11.1.3 理論展開
  11.1.4 評価
 11.2 Sorterの学説に学ぶ
  11.2.1 問題意識の継承
  11.2.2 基点の変化
  11.2.3 評価
 11.3 McCarthyの学説に学ぶ
  11.3.1 問題意識の変化
  11.3.2 議論展開の変化
  11.3.3 評価
 11.4 まとめと今後の課題

終章 事象理論の全容解明へ向けての試論
 1. 基本的問題意識と本章の課題
 2. 会計用語にかんする事象理論の説明
 3. 現代との接点
  (1) 概念フレームワーク・プロジェクトとの関連
  (2) 時価をめぐる議論についての見解
  (3) 純資産の概念の妥当性
 4. おわりに

主要参考文献
事項索引