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会計規制と国家責任
ドイツ会計基準委員会の研究

木下 勝一 著


第1刷発行日2007/10/31
判型A5判
ページ数240ページ
本体価格5,400円
定価
在庫状況在庫あり
ISBN978-4-8394-2053-6
内容
 EUのIAS/IFRSの承認のエンドースメントメカニズムを担う機関として、ドイツ会計基準委員会の役割・存在価値が見出されるに至ったことを確認する。


第1章 ヨーロッパにおける会計規制とドイツの新たな対応
     はじめに
 第1節 ヨーロッパの国際的調和化の会計戦略の軌跡
   1 ヨーロッパ連合の会計の国際的調和化の戦略転換
   2 EUのエンドースメントメカニズムとIAS/IFRSの承認
 第2節 ヨーロッパの会計規制の一般モデルとドイツの特徴
   1 ヨーロッパの会計規制の一般モデル
   2 ドイツモデルの会計規制の階層
 第3節 ドイツの会計制度改革と商法会計規範システム
   1 ドイツ会計の成立根拠としての法律上の会計義務とその法源体系
   2 EU承認IAS/IFRS準拠の個別・連結決算書の新たな差別化

第2章 ドイツ版プライベートセクターの形成過程
     ―ドイツ会計基準委員会(DRSC)の成立史―
     はじめに
 第1節 1985年の会計制度改革とプライベートセクターの設置構想
   1 レフソンの「中立的機構」構想
   2 シュパンホルストの「専門的知識を有する権威ある新機関」構想
   3 経営経済学教授連合の「GoB委員会」と商法・会計指令法予備草案の「命令授権によるプライベートセクターの設置」の構想
   4 ブラントによる「私的会計委員会の設置」構想の批判的検討
   5 経済界等の批判・反対によるプライベートセクターの設置構想の挫折
 第2節 1998年の会計制度改革とドイツ会計基準委員会の創設
   1 ドイツ会計基準委員会創設の立法過程
   2 資本調達容易化法連邦法務省参事官草案(1996年6月7日)における会計基準設定機関の設置構想
   3 企業領域統制透明化法(1998年3月5日)における会計基準設定機関の設置構想

第3章 ドイツ会計基準委員会の設置の意味と役割
     ―1998年のDRSC創設と2003年改訂への展開―
     はじめに
 第1節 ドイツ会計基準委員会の創設
     ―1998年の会計制度改革による史的会計委員会の設置の意義―
   1 ドイツ会計基準委員会設置の時代背景
   2 商法典第342条の根拠規定にもとづき設置したドイツ会計基準委員会
   3 連邦法務省との契約により承認を受けたドイツ会計基準委員会
 第2節 ドイツ会計基準委員会の2003年改組
     ―2005年の会計制度改革に向けた国際化路線への切り替え―
   1 ドイツ会計基準委員会の2003年改組の時代背景
   2 ドイツ会計基準委員会の組織構造
 第3節 ドイツ会計基準委員会に付託された3つの任務
     ―2003年組織改定による3つの任務の重点移行―
   1 連結会計に関する諸原則の適用についてのドイツ会計基準の開発
   2 会計規定の立法行為に関する連邦法務省への助言
   3 国際的会計基準設定機関におけるドイツの代表

第4章 ドイツ会計基準委員会と会計規制論
     はじめに
 第1節 会計規制における国家の介入
     ―フェルトホフの『会計規制』(1992年)―
   1 フェルトホフの所説の論点
   2 公的規制システムとマーケットにおける契約関係論
   3 会計の定義と規範的規制理論・記述的規制理論による国家の介入論
   4 フェルトホフの所説の特徴
 第2節 私的な会計規制論
     ―エムリヒの『ドイツにおける外部会計の改革の傾向と展望』(1999年)―
   1 エムリヒの所説の論点
   2 会計基準委員会の設置を通じたドイツの会計改革
   3 会計基準をベースとしたドイツ会計の展望
   4 エムリヒの所説の特徴
 第3節 私的会計委員会と国家の管轄権
     ―ブライデンバッハの『会計規範の設定』(1997年)―
   1 ブライデンバッハの所説の論点
   2 会計領域の規範設定プロセスの形成可能性
   3 ドイツの会計領域の規範設定プロセスの要件
     ―ドイツ会計委員会の創設に向けた論点整理―
   4 ブライデンバッハの所説の特徴
 第4節 私的な自主規制と国家の規制責任
     ―ベアベリヒの『ドイツ会計基準委員会のフレームワーク』(2002年)―
   1 ベアベリヒの所説の論点
   2 一般条項と私的な規準設定
   3 社会的な自主的統制と国家の統制責任
   4 自主的な統制モデルからの商法典第342条2項の解釈
   5 ベアベリヒの所説の特徴
 第5節 私的規制における政治化過程と国家の関与

第5章 ドイツの概念フレームワーク公開草案
     はじめに
 第1節 概念フレームワークの意思決定有用性アプローチ論
   1 ドイツ会計基準委員会に付託された権限との関連をめぐる論点
   2 概念フレームワークの意思決定有用性アプローチに関する論点
 第2節 概念フレームワークの会計領域の拡大論
   1 決算書の構成要素の計上・認識に関する概念フレームワーク
   2 決算書の構成要素の評価基準に関する概念フレームワーク
   3 ドイツ経済検査士協会・経営経済学教授連合の批判的コメントレター

第6章 ドイツ会計基準委員会の論争点と将来方向
     はじめに
 第1節 ドイツ会計基準委員会の権限と役割
   1 ドイツ会計基準委員会の主体的独立性に係わる論争点
   2 ドイツ会計基準委員会の権限と役割をめぐる論争点
 第2節 ドイツ会計基準委員会の将来方向

索引