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会計の社会言語論的研究

長谷川 茂 著


第1刷発行日2008/03/31
判型A5判
ページ数334ページ
本体価格4,800円
定価
在庫状況在庫あり
ISBN978-4-8394-2061-1
内容
 会計は時代と場所の諸条件が色濃く反映されており、社会的背景と係らせて解明することが必要である。社会言語論学の分野で発展している意味論と語用論での知見を借りて、会計の独自の役割を解明した。

目次
序章 会計の原点と社会言語としての役割
  1 はじめに
  2 複式簿記に基づく結果報告と会計数値による分け前の算定
  3 会計の社会言語性と役割
  4 むすび

第1章 会計学と研究方法
  1 はじめに
  2 研究方法と構築される理論の性格
  3 「説明理論」の構築と目的論的研究方法の宿命
  4 目的論的研究方法と「指導理論」の性格
  5 価値判断の回避と計算構造論的研究方法の限界
  6 むすび

第2章 会計と複式簿記の接点
  1 はじめに
  2 二項対照的把握と複式簿記
  3 把握内容の決定と会計
  4 把握金額の決定と会計
  5 把握時期の決定と会計
  6 接点としての脚注・附属明細表(書)
  7 むすび

第3章 会計改革と複式簿記
  1 はじめに
  2 株主資本等変動計算書の財務諸表としての位置
  3 負ののれんと我が国の文化
  4 その他有価証券評価差額金・土地再評価差額金といわゆる資本直入法
  5 むすびにかえて

第4章 非財務諸表情報と会計
  1 はじめに
  2 米国における非財務諸表情報の重視と会計の危機
  3 非財務諸表情報とMD&A
  4 MD&Aの記載内容と会計
  5 むすび

第5章 「企業財務諸表の目的」の概要と疑問点
      ―FASB暫定意見書―
  1 はじめに
  2 財務諸表の3つの目的
  3 基本的な目的と総合的検討
  4 意思決定の具体的内容と財務諸表
  5 財務諸表とキャッシュ・フロー情報
  6 むすびにかえて

第6章 財務会計目的の遂行と貨幣価値変動
  1 はじめに
  2 財務会計の目的
  3 貨幣価値変動と財務会計目的遂行機能の喪失
  4 財務会計目的の遂行に適した貨幣価値変動会計
  5 貨幣価値変動に関する修正方法と表示方法
  6 修正方法の計算例

第7章 ガインサー物価変動会計論の概要と性格
  1 はじめに
  2 物価変動と管理会計的接近の重要性
  3 管理会計的接近と物価指数の選定および保有利得・損失の処理
  4 管理会計的接近と各資産の処理および財務諸表の作成
  5 補足的検討と事例研究
  6 むすびにかえて

第8章 貨幣価値の変動と資本維持
  1 問題の所在
  2 資本維持思考の生成とその背景
  3 資本維持の内容
  4 資本維持の会計学的性格
  5 むすび

第9章 貨幣価値の変動と利益の把握
  1 問題の所在
  2 期間損益計算構造の変貌と利益概念
     ―一般的考察―
  3 収益の計算と貨幣価値の変動
     ―実現主義の修正と発生主義の採用―
  4 費用の計算と貨幣価値の変動
     ―取得原価主義の修正と時価主義の抬頭―
  5 むすび

第10章 貨幣価値の変動と実現概念の展開
  1 問題の所在
  2 伝統的実現概念
  3 貨幣価値の変動と実現概念の展開
  4 むすびにかえて

第11章 物価変動会計の将来
  1 はじめに
  2 再来の物価変動会計の特色
  3 投資者の情報要求と物価変動会計の二分化
  4 投資意思決定のための物価変動会計と予測会計情報の外部公開
  5 むすび

第12章 時価評価と損益計算
  1 はじめに
  2 時価評価導入論の背景と真意
  3 現行損益計算の特色と実現基準
  4 分配可能利益の算定と時価評価
  5 むすびにかえて
     ―時価評価への役割期待と代替策―

第13章 取得原価基準における取得原価の意味
  1 はじめに
  2 取得原価基準の生成とその背景
  3 会計でいう評価と貨幣の機能
  4 機能面からみた貨幣と取得原価
  5 むすびにかえて

第14章 企業への投資意思決定のための利益
  1 はじめに
  2 制度的利益の性格と限界
  3 企業への投資意思決定に適した利益概念の模索
  4 むすび

第15章 総括利益とエドワーズおよびベルの利益概念
  1 はじめに
  2 総括利益と含み益(損)
  3 収益源泉の明示化とエドワーズおよびベルの利益概念
  4 むすびにかえて

第16章 外部報告制度と予測会計情報
  1 はじめに
  2 外部報告制度の意味
  3 予測会計情報の外部報告と制度化の方向
  4 制度化にあたっての問題点
  5 むすびにかえて

第17章 投資者の意思決定と予算の公開
  1 はじめに
  2 カレント・コストの利用と予測可能性
  3 代替策としての予算の公開
  4 むすびにかえて

第18章 長期株式投資者の意思決定と予算の公開方法
  1 はじめに
  2 長期株式投資者の意思決定
  3 意思決定に必要な会計情報とその入手方法
  4 企業予算の外部公開の方法
  5 むすびにかえて

第19章 予測会計情報の外部公開と会計原則
  1 はじめに
  2 予測会計情報原則をめぐる諸説
  3 予測会計情報原則の一試案

第20章 会計の言語性と国際的調和
  1 はじめに
  2 会計の言語性と社会言語学的分析
  3 言語としての会計と国際的調和
  4 むすび

第21章 会計の社会言語性とインサイダー取引
  1 はじめに
  2 2つの外部報告会計とインサイダー取引
  3 公表の迅速性とインサイダー取引
  4 社会言語としての会計とインサイダー取引
  5 むすび

第22章 会計と社会言語的特性
  1 はじめに
  2 会計の手段的性格と外部報告
  3 社会言語としての会計の特性
  4 むすびにかえて