会計認識領域拡大の論理
志賀 理 著
第1刷発行日 | 2011/01/12 |
判型 | A5判 |
ページ数 | 222ページ |
本体価格 | 2,800円 |
定価 | |
在庫状況 | 在庫僅少 |
ISBN | 978-4-8394-2104-5 |
目次
第1章 現代会計における認識領域拡大化の構造
―FASB財務会計概念ステイトメント・シリーズを中心に―
はじめに
1 財務報告の目的
2 会計情報の質的特徴
3 財務諸表の諸要素
4 認識と測定
5 FASB財務会計概念ステイトメント・シリーズの本質的機能
第2章 FASB会計認識論の展開とその現実的機能
―ヤエニック報告書と井尻報告書を中心に―
はじめに
1 契約にかかわる権利・義務の認識
(1) 論理展開の起点
(2) 代替的認識時点の提言
(3) 早期認識を擁護する財務情報の質
(4) 「コミットメントの確定度」概念の導入と認識の早期化
2 井尻報告書が意味するもの
3 収益・費用の即座的認識
(1) 現在の状況
(2) 販売基準を適用するさいに生ずる問題
(3) 進行基準を適用することの主張
(4) 費用の発生による即座的認識の意味
4 ヤエニック報告書がサーベイを通じて意図するもの
5 FASB会計認識論の展開とその現実的機能
第3章 FASB会計認識論の展開とその現実的機能
―ジョンソン=ストーリーの報告書を中心に―
はじめに
1 ジョンソン=ストーリーの認識論
(1) 論理展開の起点
(2) 「キャッシュ・コンシークエンス」概念の導入と認識の早期化
(3) 資産・負債の「キャッシュ・フロー可能性」としての定義の意味
(4) キャッシュ・コンシークエンス概念と資産・負債概念の意味するもの
2 未履行契約の認識の論理化
(1) 契約上の権利と義務の認識基準
(2) 契約時点で生じる契約義務
(3) すべての未履行契約に認識基準を適用することの主張
3 ジョンソン=ストーリーの認識論の現実的機能
第4章 金融商品に関する開示基準が果たす本質的役割
―FASB財務会計基準ステイトメント第105号・第107号・第119号を中心に―
はじめに
1 FASB金融商品会計プロジェクトの概要
2 FASB財務会計基準ステイトメント第105号
(1) 財務会計基準ステイトメント第105号の内容
(2) 財務会計基準ステイトメント第105号によるリスク概念の強調
3 FASB財務会計基準ステイトメント第107号
(1) 財務会計基準ステイトメント第107号の内容
(2) 財務会計基準ステイトメント第107号による公正価値情報の財務諸表への導入
4 FASB財務会計基準ステイトメント第119号
(1) 財務会計基準ステイトメント第119号の内容
(2) 財務会計基準ステイトメント第119号による金融商品に関する情報の開示の拡大・拡充
5 金融商品に関する開示基準が果たす本質的役割
第5章 金融商品会計における公正価値評価導入のありかた
―FASB財務会計基準ステイトメント第115号を中心に―
はじめに
1 FASB財務会計基準ステイトメント第115号公表以前の会計処理
(1) 市場性のある持分証券の会計処理
(2) 市場性のある債務証券の会計処理
2 FASB財務会計基準ステイトメント第115号の内容
(1) 財務会計基準ステイトメント第115号の内容
(2) 弾力的な適用方法による公正価値の導入
3 公正価値による税務上の処理
(1) IRC. Sec.475の内容
(2) 財務会計基準ステイトメント第115号とOBRA'93(IRC. Sec.475)との関係
4 金融商品会計における公正価値評価導入のありかた
第6章 デリバティブ会計における認識領域の拡大
―FASB財務会計基準ステイトメント第133号を中心に―
はじめに
1 FASB財務会計基準ステイトメント第133号の基本方針
2 デリバティブの認識・測定基準
(1) デリバティブの認識・測定基準
(2) 財務会計基準ステイトメント第133号における認識・測定基準の特徴
3 FASB財務会計基準ステイトメント第133号の具体的適用例
(1) 公正価値ヘッジ―異なる通貨建の確定コミットメントをヘッジするために外貨を購入する先渡契約を利用した場合
(2) キャシュ・フロー・ヘッジ―特許権約定における為替エクスポージャのヘッジ
4 FASB財務会計基準ステイトメント第133号の本質的意味
第7章 会計認識領域拡大における包括利益概念の本質的機能
―公正価値評価導入の受け皿としての包括利益概念―
はじめに
1 FASB財務会計概念ステイトメントによる資産・負債概念の拡大と公正価値評価の論理化
2 金融商品会計における公正価値評価導入のありかた
3 公正価値評価導入によって生ずる未実現利得・損失の会計処理
4 予測・見積を内包した測定方法による資産・負債の測定とその吸収材としての包括利益概念
第8章 金融商品会計における負債領域の拡大
―FASB財務会計基準ステイトメント第150号を中心に―
はじめに
1 FASB財務会計基準ステイトメント第150号の内容
(1) 適用範囲
(2) 金融商品の初期分類
(3) 初期測定および事後測定
(4) 開示
2 FASB財務会計基準ステイトメント第150号の具体的適用例
(1) 分類①:定時償還金融商品の例示―トラスト優先証券
(2) 分類②:資産を譲渡することによって発行者の持分株式を買い戻す義務を組み込んでいる金融商品の例示
(3) 分類③:不定数の株式を発行するある種の義務を組み込んでいる金融商品の例示
3 FASB財務会計基準ステイトメント第150号による負債領域拡大化の論理とその本質的意味
(1) 財務会計基準ステイトメント第150号による負債領域拡大化の論理とその本質的意味
(2) 財務会計概念ステイトメント第6号改正公開草案『負債の定義を変更するためのFASB概念ステイトメント第6号改正案』
第9章 金融商品会計における持分概念の規定
―FASB予備的見解『持分の特徴を有する金融商品』を中心に―
はじめに
1 負債証券と持分証券に係る会計処理プロジェクトの経緯
2 マイルストーン・ドラフトの内容
(1) 基本的アプローチ
(2) 分類要件
3 FASB予備的見解の内容
(1) 基礎的所有主アプローチによる分類
(2) 基礎的所有主アプローチのもとでの証券と構成要素の測定と表示
4 基礎的所有主アプローチの優位性
(1) 所有主・決済アプローチ
(2) REOアプローチ
(3) 各アプローチによる分類の比較
(4) 基礎的所有主アプローチの優位性
5 基礎的所有主アプローチによる持分概念の規定
第10章 会計認識領域拡大の論理の再構築
―FASB財務会計概念ステイトメント第8号を中心に―
はじめに
1 概念フレームワークの再検討プロジェクト
2 FASB財務会計概念ステイトメント第8号の概要
(1) 財務報告の目的
(2) 有用な財務情報の質的特徴
3 「信頼性」から「誠実な表示」への変更の意味
4 概念フレームワーク再検討の本質的な意味
索引