画像がありません

江戸時代帳合法成立史の研究
―和式会計のルーツを探求する―

田中 孝治 著


第1刷発行日2014/06/25
判型A5判
ページ数344ページ
本体価格5,000円
定価
在庫状況在庫あり
ISBN978-4-8394-2143-4
内容
 和式簿記の研究を通し、歴史を遡り、和式会計のルーツを探求することで、逆にその発達過程を解明した。本書ではリトルトンの説に従い「和式会計」という名称を用いた。

目次
第1章 江戸時代の商人の帳合法
 1 はじめに
 2 明治初期から第二次世界大戦までの研究
  2.1 『商事慣例類集』に見る江戸時代の商人の帳合法
  2.2 大森研造論文
  2.3 出雲帳合
 3 第二次世界大戦後の研究
  3.1 中井家の帳合法
  3.2 鴻池家の算用帳
  3.3 帳合法の決算報告書
   (1) 長谷川家,(2) 三井家,(3) 富山家
 4 江戸時代の商人の帳合法の特徴
 5 おわりに

第2章 伊勢商人の帳合法と監査
 1 はじめに
 2 伊勢商人と監査
  2.1 伊勢商人とは
  2.2 「本状」,「目録開き」,「勤番」
 3 長井家の決算報告と監査証明
  3.1 算用目録の体系と様式
  3.2 算用目録と監査証明
 4 田端屋(田中家)と監査
  4.1 監査報告書
  4.2 監査手続書
  4.3 算用目録
 5 おわりに

第3章 我国中世における荘園会計
 1 はじめに
 2 荘園会計の史料
 3 「代官尊爾の決算報告諸表」の構造と体系
  3.1 代官尊爾の決算報告諸表の構造
  3.2 代官尊爾の決算報告諸表の体系
 4 荘園の監査
 5 おわりに

第4章 我国古代の正税帳と出挙帳
 1 はじめに
 2 正税帳とは
  2.1 正税帳の構造
  2.2 正税帳と算用帳
 3 出挙帳
  3.1 公出挙と出挙木簡
  3.2 公出挙と漆紙文書
 4 私出挙と出挙帳
 5 おわりに

我国中世と寺院の会計
 1 はじめに
 2 大森研造による指摘
 3 祠堂方帳
 4 米銭納下帳
 5 おわりに

日記と和式簿記
 1 はじめに
 2 荘園の年貢算用状と日記
 3 貸付簿としての日記
 4 日記の発展過程
 5 おわりに

第7章 和式簿記の源流
     ―東アジアにその源流を求めて―
 1 はじめに
 2 古代中国における出挙帳
  2.1 トルファンの出挙帳
  2.2 敦煌文書にみる出挙帳
 3 古代朝鮮半島,百済における出挙木簡
 4 中国唐代の質屋の帳簿
 5 中国寺院の決算報告書
 6 おわりに

第8章 我国監査の起源
 1 はじめに
 2 税帳勘会
 3 地方行政監督機関
  3.1 検税使
  3.2 検税使以外の地方行政監督機関
   (1) 巡察使 (2) 問民苦使 (3) 按擦使 (4) 勘解由使 (5) 観察使
  3.3 勘会と地方行政監督機関
 4 勘会の変質
 5 おわりに

補論 明治以降の帳合法(和式簿記)
     ―神戸商業講習所と『中小企業簿記要領』―
 1 はじめに
 2 『商事慣例類集』と兵庫の帳合法
 3 創立当時の神戸商業講習所の和式帳合法の教育
 4 創立当時の簿記教科書と和式帳合法
 5 神戸商業講習所の簿記教育と兵庫商人
 6 神戸商業講習所の業種別簿記の教育と商法講習所
 7 神戸商業講習所の簿記教育と『中小企業簿記要領』
 8 おわりに
引用文献
索引
初出一覧
あとがき