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非営利組織会計基準の統一
―会計基準統一化へのアプローチ―

宮本 幸平 著


第1刷発行日2015/03/07
判型A5判
ページ数202ページ
本体価格2,600円
定価
在庫状況在庫あり
ISBN978-4-8394-2150-2
内容
 社会構成のための活動を主とする非営利組織の今日的な重要性に富み、あるべき統一的な財務諸表の表示基準を対象とし、特に企業会計との表示統一化について考察した。

目次
序章 研究の課題と方法
 1.研究の課題
  1.1 今日の経済・社会状況と非営利組織会計の役割
   1.1.1 今日のわが国の経済状況
   1.1.2 非営利組織の社会的意義と非営利組織会計の役割
  1.2 わが国の非営利組織会計制度
  1.3 研究の課題
   1.3.1 非営利組織会計の表示基準を統合する意義
   1.3.2 非営利組織会計と企業会計の表示基準を統一する意義
   1.3.3 財務諸表の表示基準を考察対象とする意義
 2.研究の方法
  2.1 目的論的関連(テレオロギー)の観点に基づく問題提起
  2.2 規範演繹的考察による目標仮説の検証
 3.研究の構成

第1章 非営利組織会計の表示基準統一の方法
 1.はじめに
 2.非営利組織会計の基準統一化の意義
  2.1 非営利組織会計基準統一化の意義
  2.2 非営利組織会計と企業会計の統一化の意義
 3.各非営利法人会計の表示基準の相違点
  3.1 フロー計算書の表示基準の特質
   3.1.1 公益法人(公益社団・財団法人)会計
   3.1.2 社会福祉法人会計
   3.1.3 NPO法人会計
   3.1.4 学校法人会計
   3.1.5 小括 ―表示基準の特質と相違点―
  3.2 貸借対照表の表示基準の特質
   3.2.1 公益法人(公益社団・財団法人)会計
   3.2.2 社会福祉法人会計
   3.2.3 NPO法人会計
   3.2.4 学校法人会計
   3.2.5 小括 ―表示基準の特質と相違点―
 4.表示基準における相違点の調整
  4.1 フロー計算書における大区分の相違
  4.2 基本金組入額・取崩額の表示位置の相違
  4.3 貸借対照表/純資産の部の表示基準の相違
  4.4 寄附金・補助金収入に係る計算・表示構造の相違
   4.4.1 企業会計と非営利組織会計の連携計算構造の相違
   4.4.2 公益法人会計の連携計算構造と寄附金・補助金収入の表示
   4.4.3 社会福祉法人会計の連携計算構造と寄附金・補助金収入の表示
   4.4.4 小括
 5.表示基準統一化に適合するアプローチ方法
  5.1 JICPA[2013]が提示する会計基準統一へのアプローチ
  5.2 表示基準統一化のためのアプローチ方法の措定
 6.おわりに

第2章 非営利組織会計の表示基準に適用される会計観
 1.はじめに
 2.FASB非営利組織会計概念書・基準書における表示の特質
  2.1 FASB概念書及び基準書の体系
  2.2 FASBに規定される財務諸表の「基本目的」
   2.2.1 財務的生存力の査定の基本目的
   2.2.2 組織体の業績評価の基本目的
  2.3 FASB基準書における「表示」の特質
 3.FASB非営利組織会計基準に内在する会計観
  3.1 寄附金処理にみるFASBの会計観
  3.2 寄贈資本資産の減価償却にみるFASBの会計観
 4.アンソニーの所説の検証
  4.1 アンソニーが指摘する論点
  4.2 アンソニーの所説(収益費用アプローチ)の妥当性検証
 5.非営利組織会計における寄附金の収益表示の妥当性
  5.1 ボトムラインにおける財務的生存力の査定能力具備
  5.2 寄附金等の非資本性および非負債性
  5.3 収益費用アプローチに基づく拘束的寄附金の収益性
  5.4 小括 ―寄附金の収益表示の妥当性―
 6.非営利組織会計における寄贈資産の減価償却の妥当性
  6.1 アンソニーが指摘する論点
  6.2 財務的生存力査定の観点からの減価償却の必要性
  6.3 適正な業績評価のための減価償却の必要性
 7.おわりに

第3章 非営利組織会計に適用される表示基準
 1.はじめに>br />  2.すべての寄附金の収益表示の妥当性
 3.非営利組織会計財務諸表の表示基準の類型化
  3.1 損益的フロー/資本的フローの2区分とする表示基準
  3.2 本業・本業外・特別の3区分とする表示基準
  3.3 非拘束・一時拘束・永久拘束の3区分とする表示基準
  3.4 インフロー・アウトフローの2区分とする表示基準
  3.5 純利益をボトムラインとする表示基準
 4.非営利組織会計に適用されるモデル表示基準の措定
  4.1 類型化された表示基準に対する除外
   4.1.1 本業・本業外・特別の収支3区分とする表示の問題点
   4.1.2 一時拘束純資産の区分表示の問題点
   4.1.3 純利益をボトムラインとする表示の問題点
  4.2 非営利組織会計の基本目的を達成するモデル表示基準
   4.2.1 財務的生存力査定の基本目的を達成する表示基準
   4.2.2 用益提供努力・成果査定の基本目的を達成する表示基準
 5.おわりに

第4章 企業会計との統一化を指向したモデル表示基準の設定
 1.はじめに
 2.企業会計との表示基準統一の意義とモデル表示基準
  2.1 企業会計との統一化を指向する意義
  2.2 統一化を指向するモデル表示基準
 3.アメリカ非営利組織会計概念フレームワークにみる企業会計との基本目的の相違点
  3.1 FASB概念書第4号にみる企業会計との基本目的の相違点
  3.2 非営利組織会計における純利益表示の妥当性
 4.統一化を指向する表示基準の妥当性検証の方法
 5.企業会計との統一化を指向した表示基準の目標仮説設定
  5.1 非営利組織会計情報に内在する社会的必要性
  5.2 社会的必要性の未充足に起因する問題提起と目標仮説設定
   5.2.1 社会的必要性の未充足に起因する問題提起
   5.2.2 目標仮説の設定
 6.非営利組織会計における純利益表示の妥当性検証
  6.1 非営利組織会計において純利益を表示する妥当性
  6.2 純利益を小計として表示する様式の妥当性
   6.2.1 企業会計における2計算書方式適用の議論
   6.2.2 IASBの議論を援用した2計算書方式適用の妥当性考察
   6.2.3 純利益における財務的生存力査定機能と1計算書方式の妥当性
  6.3 イン・アウトフローの2区分の代替案の妥当性
 7.おわりに

第5章 企業会計との統一化を指向した政府会計の表示基準
 1.はじめに
 2.社会科学的研究方法による社会的必要性の抽出
  2.1 目的論的関連の観点から考察する意義
  2.2 目的論的関連観点からの社会的必要性の抽出
   2.2.1 政府会計の基本目的
   2.2.2 目的を達成する手段に含意される社会的必要性の抽出
 3.社会的必要性の未充足に起因する問題の提起
  3.1 連携構造の複雑さに起因する社会的必要性の未充足
  3.2 コストの区分別表示によるサービス提供努力評価能力の減衰
 4.提起された問題に対する目標仮説の設定
 5.目標仮説に対する妥当性の検証
  5.1 フロー計算書をワンステートメントとし税収を表示する妥当性
  5.2 サービス提供努力評価のためコストを一括表示する妥当性
 6.おわりに

結章 モデル表示基準に基づく各表示基準の調整
 1.フロー計算書・表示基準の調整
 2.貸借対照表/純資産の部の表示基準の調整
 3.フロー計算書と貸借対照表/純資産の部の連携構造の調整
 4.政府会計と企業会計の表示基準統一化の調整
 5.研究の結論

参考文献