画像がありません

会計学者の責任
歴史からのメッセージ

渡邉 泉 著


第1刷発行日2019/06/15
判型A5判
ページ数212ページ
本体価格2,400円
定価
在庫状況在庫あり
ISBN978-4-8394-2176-2
内容
 有用性や目的適合性が席巻している会計の現状と両者の重要性も十分に認識しながら、会計誕生の原点から見つめ直し、現実に受容可能な会計システムの方向を模索していく。

目次
第1章 会計800年の歴史を振り返って
1.はじめに
2.複式簿記の誕生と完成
3.世界最初の簿記書『スンマ』
4.複式簿記の進化
5.18世紀に生じる新たな動向
6.会計学の誕生
7.おわりに

第2章 会計の沿革を論じたわが国初期の文献
1.はじめに
2.日本最初の会計史文献『学課起源畧説』(1878)
3.海野力太郎『簿記学起源考』(1886)
4.『スンマ』出版年度に関するアンダーソンとドゥ・ラ・ポルトの相違
5.東奭五郎『新案詳解商業簿記』(1903)
6.『商業会計・第壱輯』(1908)における会計史の論述
7.おわりに

第3章 取得原価主義会計と公正価値
1.はじめに
2.フロー計算の意義と発生基準による会計処理
3.時価評価の登場
4.時価損益の会計処理
5.市場価値測定の位置づけ
6.おわりに

第4章 会計学の本来の役割
1.はじめに
2.複式簿記の本来的役割
3.フィレンツェの期間組合における損益計算
4.複式簿記の本質と生成時期
5.デフォーが提唱したいわゆる単式簿記
6.おわりに

第5章 信頼性(検証可能性)と有用性(目的適合性)の狭間
1.はじめに
2.損益計算を支える信頼性
3.認識,測定,伝達の逆流現象
4.割引現在価値の非現実性
5.過去情報から未来情報への変容
6.おわりに

第6章 情報提供かそれとも会計責任か
1.はじめに
2.信頼性と受託責任
3.受託責任と所有主関係
4.受託責任と会計責任
5.受託責任で信頼性は担保できるか
6.おわりに

第7章 会計学者の責任
1.はじめに
2.会計誕生の原点は信頼性
3.有用性への転換による会計の変質
4.矛盾を拡大させる公正価値会計
5.問われなければならない会計学者の責任
6.おわりに

第8章 ポスト金融資本主義のもとでの会計学
1.はじめに
2.金融資本主義の矛盾
3.金融資本主義に適応する会計
4.金融資本主義からポスト金融資本主義へ
5.ポスト金融資本主義下の会計学
6.おわりに

第9章 これまでの会計,これからの会計
1.はじめに
2.伝統的な会計の役割
3.提供する情報の中身
4.AI技術が進化した状況下での会計の役割
5.おわりに

参考文献

索引

あとがき